こっちむいて

さよならだけを伝えるつもりがありがとうと言う

微熱のココア

美味しいココアが飲みたい。

 

冬になったからね、ココアが飲みたくなる。あったかくて甘くてふわふわのミルクココアが。一人暮らしの自分の家で作るココアはどうも美味しくない。面倒くさがりなので、小さな手間を省いて適当に作っちゃうからダマになったりなんか薄かったりで美味しくないんだけどね。

それでも、1人で飲むココアと誰かと飲むココアは全くの別物でしょう。

実家の冬の朝ごはんには必ずココアが出てきた。遅刻ギリギリに飛び起きる私がせめてココアだけでも飲んで行けるように、母がぬるめに作ってくれていた。鉄分も牛乳も入ってるし、甘いから朝でも飲んでいけるでしょ、って毎朝ちょっとぬるいココアを出してくれた母は素敵な人だと思う。これぞ、離れてわかる有り難さかな。

この間は、彼の家で一緒に飲んだ。大学の友達に大量にもらった賞味期限切れの粉末ココアをそのまま彼の家に持ち帰って、ホットミルクに溶かした。コストコとかで売ってる海外製のココアだったからちょっと人工的な味だったけど、真夜中、彼の家、彼の隣、暖かいミルクココア、幸せじゃないわけがない。

そのあと家に帰って1人でココアを飲んでも、なんだか美味しくないのである。だってそんな美味しいココアを知ってしまったらもう戻れない。大事な人と飲むココアは格別だもの。