こっちむいて

さよならだけを伝えるつもりがありがとうと言う

あの日のわたしと音楽と

音楽には思い出が詰まっている。

例えば、高3の春に札幌から新千歳空港行きの電車の中で聴いたあの曲。または、姉の車の中でエンドレスに一曲リピートされていたあの曲。あるいは、予備校帰りに冬の横浜の繁華街を歩きながら聴いたあの曲。全部一年以上前のことなのに、再生ボタンを押せばありありと蘇る、生々しい出来事たちがいる。

 

いい事ばかり思い出しているわけじゃない。苦しい時に泣きながら聴いた曲は未だに泣き出しそうになるし、何気なく再生してみた音楽にあの人の影を見つけてしまって死にたくなったりする。

それでもね、これは全部、わたしを構成する大事な音楽なんだ。どうしても捨てられなくて、いつまでも心の隅にぐしゃぐしゃと山積みになっている。それはたまに倒れる。倒れたものをひとつひとつ拾い集めてまた不恰好に積み上げていく。しばらくするとぐしゃっと倒れる。捨てられないのは、ひとつひとつに大切な思い出が詰まってるから、ね。

 

新婚さんのおうちに遊びに行った帰りの中央線であなたに勧められたバンドを聴きました。さっきまでの幸せそうな姿とあなたに勧められた音楽をわたしも気に入れたことで、なんだかぽかぽかした気持ちで、温かいです。