こっちむいて

さよならだけを伝えるつもりがありがとうと言う

まよなか

最近、とても馬鹿になった。

まあ元々賢いわけではなくて、Fラン女子大に通うくらいの頭脳なんだけど、前はもう少しマシな脳みそだったと思う。

中高生の私は幸せではなかったから、幸せを探すために脳みそをフル回転させてきた。だけど今はほら。恋人とのベタベタな出来事、さっき会った親戚の話、来週一週間の予定とかで頭がいっぱいなのである。なんて、頭を使ってない生活なんだ。あと、生活リズムが狂いすぎて眠れないし、学校に行けなくなった。

今も、あと5時間後には起きてお化粧をして、可愛い女の子に変身して学校に行かなきゃいけないのに、昼間彼氏の家でぐーたら寝てたせいで全然眠れない。眠れない夜というのは、ひとりぼっちで夜の果てに佇む寂しさ、眠りに辿り着けない焦り、朝を迎えてしまうことへの恐怖なんかをものすごく敏感に感じ取ってしまう。そうして、次第に泣きたくなって、だけど泣くに泣けなくて、今日みたいに布団の中で夜が更けていくの待つしかできなくなる。

こんな情緒不安定な日々は、必ず誰かを傷つけてしまう。家族だったり、恋人だったり、気心の知れた友人達だったり。人を傷つけたくないし、人に気を使うのも疲れてしまったから、誰にも見つからないようにひっそりと眠っていたい。

そんな願望をつらつらと書きなぐっても、いつもと変わらず部屋の外は明るくなってきたし、朝の気配が部屋の中にも少しずつ流れてきた。ああ、苦しい。きっと明日からもたくさん泣いてしまうから、マスクという名の鎧を装備して、こぼれてしまった涙はこっそり隠して、どこかに忘れてきてしまった真赤に想いを馳せて暮らしていくよ。

 

朝なんていらないから、ずっと夜の果てにいたいのに。